トリマーというと犬を扱うイメージが定着していますが、実は猫のトリマーの需要も高まっています。ただ、犬のトリミングと比べて猫専門のトリマーはまだ少ないため、希少な専門職といえます。
猫のトリマーは、猫種によって異なる被毛の特徴を理解し、一人一人の猫ちゃんに合わせた最適なケアを提供します。シャンプーやグルーミングでは、猫種の特徴や被毛の状態を見極めながら、適切なシャンプーを選び、ブラッシングを行います。特に、ペルシャ猫などの長毛種は定期的なケアが必要で、丁寧なブラッシングと毛玉の除去が求められます。また、高齢の猫ちゃんは体調に配慮しながら優しくケアを行い、ショーに出場するような猫ちゃんは美しい被毛を保つための特別なケアも行います。
飼い主さんに対しては、自宅でのブラッシング方法を丁寧に説明したり、猫種に適したシャンプーやブラシを提案したり、皮膚トラブルの予防方法や、季節に応じたケア方法についても、分かりやすく説明します。
猫のトリマーの年収は、経験年数が1〜3年程であれば200〜250万円程度、ベテランになると350〜450万円が目安です。
独立して自身のサロンを開業する場合は、技術力と顧客数によってはさらに高い収入も可能。猫専門のトリマーはまだ少ないため、専門性を活かしていくことで、安定した収入が期待できます。
猫のトリマーになるには、専門学校でトリミングの技術を学ぶというルートが最も効率的です。専門学校では2年間かけて、猫ちゃんの生態学や生理学の基礎知識、実践的なトリミング技術、猫ちゃんの扱い方や猫種による性格の違いまで学習。実際のトリミングサロンでの実習やインターンシップを通じて、仕事の流れも体験できます。在学中にトリミングに関する資格を取得可能で、就職の際のアピールにもなるというメリットがあります。
動物病院やペットサロンでアシスタントとして働きながら技術を習得していく方法もありますが、研修が簡易的だったり、見て覚えるといった働き方であるケースもあるため、しっかりと学びたい、就職をして安定して働きたいという方は、やはり専門学校がベストだといえます。
最近国家資格化された愛玩動物看護師とは異なり、猫のトリマーとして働く場合は法的に必須の資格はありません。しかし、専門性を証明する資格を持っていると、技術の証明になり、就職の際に評価されたり、お客様からの信頼を得られやすいでしょう。
猫のトリマー関連で代表的な資格には、民間資格である「I.C.C. キャットグルーマーライセンス」があります。資格取得に特化したカリキュラムを設置している専門学校もあり、在学中に取得を目指すこともできます。
猫のトリマーの需要は着実に増加しています。特に室内で飼われる猫ちゃんが増えていることで、プロによるケアの必要性が高まっています。また、猫ちゃんの高齢化に伴い、自分で毛づくろいが難しくなった猫ちゃんのケアニーズも増加しています。
さらに、ペットを家族の一員として考える飼い主が増えており、猫ちゃんの美容、健康に対する意識も高まっています。猫カフェなどの施設での需要も新たに生まれていて、やはり専門的な知識を持ったスタッフへの需要が高まり、今後さらに必要とされることが期待できます。
猫が好きなことはもちろん、動物の体のしくみに興味がある人は、トリマーの素質があります。生物の授業や、家庭科の裁縫のような細かい作業が得意な人にも向いています。
さらに、飼い主さんとのコミュニケーションも重要な仕事の一つなので、人と話すことが好きな人、相手の話をよく聞いて適切なアドバイスができる人も向いています。清潔感があり、衛生管理にも気を配れる人も、プロのトリマーとして活躍できるでしょう。
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